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NPO法人の経営とIT活用(1) NPO経営の特性(ミッション・組織・資金調達)

インターネット会のパイオニア 岩城達夫「経営」とは経営資源を組織に投入し付加価値をつけて成果を提供することと理解している。今回は、法人クライアントのホームページ制作上で考えるべき組織特性の例として、「NPO法人」を考えてみたい。 まず、企業とNPO法人の違いは「MISSION」にあると言われる。当然、株式会社や有限会社などの法人設立も、ミッションを持って設立されるのだが、最大の違いはミッションに対する共感にあるといえる。
と言っても、株式会社設立に際してもミッションは必要で、ミッションが無けれ長続はしない。
以下にわかりやすく、比較を書き出してみた。

NPOと企業のMISSIONの比較
NPO 企業
Missoion 利益
使命の達成 利潤最大化
社員 株主
取引先 従業員
寄付者・賛助会員 取引先
助成者 地域社会
スタッフ・ボランティア 地球

利益追求とミッションが大きな違いだと言っても、冒頭に上げたようにNPOも経営組織の一環なので、Plan → Do → See(Check,Action)のビジネスサイクルの繰り返しである。
即ち、環境分析・事業計画 → 人・モノ・カネ・情報の投入と管理 → サービスの提供 → 決算・評価 → 報告 → 次期計画 のサイクルだ。

しかし、NPO運営には、以下のような点で営利企業にない難しさがある。

  1. NPOの目的はミッションの達成であって利潤の獲得ではない。
  2. ビジネスと言う用語に対するアレルギーがある。
    ビジネスとは継続して事業を実施することであるからミッションとビジネスは矛盾するわけではないが、そのことを理解しないリーダーが多い。
  3. VoiceとServiceのバランスが難しい。
    NPOの活動はそれ自体が社会的主張であるVoiceをもっているが、日常的にはServiceを効果的に提供していかなければならない。
  4. ボランティアの参加があるのが一般的であるから、有給職員とのバランスが難しい。
  5. 事業収入だけでは経営が成り立たないため、会費、寄付金、助成金を集めなければならない。これをFund Raisingと言い、NPO経営のポイントである。
  6. 組織がフラットであり、スタッフ参加型経営、場合によっては顧客参加型経営が行われる。

上記のように、NPOは助成金や委託事業に依存することが多いので、個別のプロジェクト決定策定は重要であり、ある程度理解できていると思われるが、組織全体の長期戦略を持ち得ていない事がNPO組織の特徴(弱点)であると言える。NPO法の特長としてディスクロージャーとパブリック・リレイションズ(情報公開と広報)があり、インターネットを利用した情報公開は大きな意味を持つ。積極的な情報公開により、事業収入のひとつの柱である賛同者の募集や寄付金の受け皿を作る戦略的利用と情報公開(事業報告等)することによる、中長期戦略策定の一助となれば、我々ホームページ制作に関わるものとして喜びである。

参考資料;特定非営利活動促進法(NPO法)平成15年5月1日施行版
第1章 総則
第1条(目的)
この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする。
第2条(定義)
この法律において「特定非営利活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。
この法律において「特定非営利活動法人」とは、特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、次の各号のいずれにも該当する団体であって、この法律の定めるところにより設立された法人をいう。
一 次のいずれにも該当する団体であって、営利を目的としないものであること。
イ 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。
ロ 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下であること。
二 その行う活動が次のいずれにも該当する団体であること。
イ 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
ロ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
ハ 特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。

第2章 特定非営利活動法人
第1節(通則) 第3条(原則) 特定非営利活動法人は、特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、その事業を行ってはならない。
特定非営利活動法人は、これを特定の政党のために利用してはならない。

(2004.04.12)大阪NPOセンター認定コンサルタント

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